大河原邦男展は仕事人のオーラを感じる空間
上野の森美術館で開催中
先日9月27日まで開催中の「メカニックデザイナー大河原邦男展」に行ってきました。
上野は美術館や博物館、動物園と見るところがたくさんあるのでとりあえず行ってみてからどこを見るか考えるなんてのもアリです。
ちなみにデートでよく使わせて頂きます。
えーい!邪魔だ!
良い感想の前にひとつ不満が……
見に来ている人の客層というんですかね……やっぱオタクな人が多いと思うんですが。
特にガンダムの資料のあたり。
「俺知ってる自慢」で語り始めるの止めて!!!
展示そっちのけで語り始めちゃう人がちょいちょい居ました。
通路は決して広いわけでもなく、それによって通路が塞がってしまっています。
これだけは堪忍してほしい……
時間とともに変化するデザイン
さて、展示の内容です。
大河原さんが手がけたデザインが時系列順に展示されています。
小さな額に収まった各イラストひとつひとつがとても丁寧に描かれている感じがします。
個人的に大きな変化を感じたのは、ヤッターマンとガンダムのあたり。
ヤッターマンでコメディタッチなデザインをされたところでなんか雰囲気が変わっています。
そしてガンダムからデザインがよりシックリ感が増した感じがします。
時系列でみると、変化が見えて面白いですね。
「仕事人」という言葉が合う
結構色々と手広く手掛けているんだな~というのが印象でした。
「あれ?これも大河原さんのデザインだったんだ」と思うものも結構多かったです。
展示と一緒にパネルがありまして「この仕事はこういう経緯でスタートしました」「こういう要望がありました」という説明があるのですが、それを見たうえでデザインを見ると「なるほど!」と思えるものばかりです。
依頼された内容に沿って、仕事をしっかりこなしている感じは職人というより仕事人という感じでした。
たぶん、デザインを発注する側からはとても有り難いんじゃないかな?と。
なんというか、デザインでありながら「設計者」という感じもしました。
仕事に対するプロ意識というのを改めて考えさせられる展示です。
俺はどちらかというと、依頼通りに作るのってあんま好きじゃないんです。
ちょっと自分らしさを入れたいな。的な。
それはプログラマーという仕事ゆえにそうなのかもしれないけど。
しっかり、依頼通りにこなすというスタイルもアリかなーなどと思いました。
名作は化学反応によって生まれるもの
結構分厚い図録が売っていますが、これは面白いです。
ガンダムの辺りなど先ほどの事情でよく見えなかったので、それを補間する意味でもとても役立ちます。
また、主にアニメ系の大御所さん方が大河原さんに対するインタビューに答えているのですが……
その中でも冨野さん、安彦さん(ともにガンダムを作った方)のインタビューがこれまた面白いです。
冨野さんが結構辛口な事を書いているんですけど、安彦さんがまさにそれをフォローというかだから良かった的な。
たぶん、大河原さんだけで、安彦さんがいなくてもプロジェクトは難航していたし、その逆もまた然りな感じです。
うまくバランスの取れた3人だったからこそのヒットだったのかもしれない。そう感じました。
まとめ
今自分が仕事に対して何か迷ったら見たい。
デザインの中から「仕事をする」というプロ意識を伝えてくれる展示です。
開催期間も残りわずかなので気になる人は上野へGO!